日本リビング保証、直前期債務超過での上場

日本リビング保証は、住宅設備の保証サービス、中古不動産の住宅設備等に対する検査補修サービス等を営んでいる会社です。公開価格は1,760円、PER27.9倍(2018年6月予想EPSによる)という水準で2018年3月30日にマザーズに上場しています。

この会社の上場直前期、直前前期の純資産の部はこうでした。

2期とも純資産合計はマイナス、つまり債務超過でした。

実はこの会社、過去5期間に渡りずっと債務超過です(単体ベース)。

JASDAQの場合、債務超過ですと上場できません(スタンダード連結純資産2億円いじょう、グロース連結純資産が正:上場時見込み)が、マザーズの上場審査基準に純資産の額に関する項目はありません。だからといって、マザーズと言えども債務超過で上場するのはなかなかに困難です。

日本リビング保証の場合は、債務超過ではあるものの現金及び預金が1,534,329千円あります。

新築住宅及び中古住宅の無料修理を保証するサービスを行っていて、これに係る保証料を契約締結時に一括で受領しているのですが、会計処理としては5年から10年程度の保証期間にわたって按分して売上計上しており、未経過分については前受収益、長期前受収益は、上場直前期(平成29年6月期)において、それぞれ464,441千円、2,258,099千円と積み上がっています。

セグメントで見ると、この事業は平成29年6月期においても固定費を賄いきれずセグメント損失を計上していますが、四半期ベースでみると第3四半期に黒転しています。

また、平成30年3月31日時点の純資産は264,119千円のプラスになっており、この辺りを総合的に勘案すると直前期債務超過であっても問題なし、と判断されたものと思われます。

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